「弓順」で(一音一音弓を返しながら)切って弾く時、「開放弦の次に出てくる音、移弦したあと最初の音の立ち上がりがクリアでない。音がザラザラする。鳴らしにくい。」と思われた方はいらっしゃいませんか。
この原因の一つが、「右手が動き出す」タイミングと「左手の指が弦を押える」タイミングの問題です。
初心者のみなさんの中には、「右手を動かすのと、左指を押えるのとが同時でなければいけない。右と左がずれるから音がザラザラする。鳴らしにくい。」と思っておられるかたが多いようですが、これは間違いです。
正しくは: 一音一音切って弾く時は、左指が先に次の音程を準備して、準備のできたところを弓が動く です。
「みんな大好き、安心の開放弦!!」を弾く時もちょっと気をつけていただくと、次に指を押さえた時の音がぐ~んとクリアになるコツのご紹介です。
私の教室の生徒さんも、もちろん私も(!)音程に心配のない開放弦を弾く時って、緊張から一瞬開放されてほっとしますね。
でもこの時にも実は「落とし穴」が潜んでいるんですねぇ。
「えっ、チェロの弦ってこんなに痛いんですか」って、あなたも初め思いませんでしたか?
特に「1」の指(人差し指)一本で弦を押さえるのって 指が痛くてたいへんですよね。
今回はそんな方に、少しのチカラを効率よく使って「痛くないのに」弦をしっかり押さえることができるコツです。
また、力自慢の方で、初めから指一本で弦を押さえられた方も、正しい方法で弦を押さえることができたら、もっと楽に、そしてもっと速く指が動くようになります。
前回は指を「全部上げた状態」と「全部押さえた状態」を繰り返してみました。こちら>>
今回は1.2.3.の指を「上げて」みましょう。
初心者の皆さんは細くてかたいチェロの弦を「押さえること」ばかり考えていると思いますが、上手に「指を上げる」と降ろすのも正確に、楽になります。
前回は「正しい左手の形」を作りました。こちら>>
今回は、
1.) 指を上げた状態と
2.) 1・2・3・4 の全部の指を使って弦を押さえている状態
この2つの状態を行ったり来たりする練習をしましょう。
「リカちゃんの手」全体を、指板に触れるところまで「斜め懸垂」の要領で動かしていきます。動かし幅は弦と指板との距離ですから、ほんの数ミリの動きです。
今回はファーストポジションで左指を開くのに苦労している方へのアドバイスです。
手が小さい人にとってはファーストポジションって本当に辛いポジションですよね。私もその一人ですのでよ~くわかります。
1の指を正しくとると4の指が低すぎになり、
4の指を正しくとると1の指が高すぎになり。。。
普段はなんとかなっていても、疲れてきたり、速く弾かなければならなかったりすると、さらに音程が悪くなってしまいます。
前回、このお悩みに対して
右手の指先に伝わってくる感触に気をつけてみてください (こちら)
とお伝えしたところ、それでも やっぱり うまくいきません。
というお問い合わせがありました。
「私も同じだわ」と思われる方は、ぜひ次のことをお試しください。
実験:
まだ5度の音程を聞き分けるのが難しいビギナーの方にも比較的簡単にチューニングができる方法として、「フラジオレット」を使った、同じ音程の音2つを比べる方法をご紹介しました。こちら>>
でも、フラジオレットの音がきれいに鳴りません。音程も定まりません。。」というご質問が寄せられました。
フラジオレットとは 左指で弦を指板まで押し下げずに、弦に触れただけで音程を作り出す奏法です。
弦を指板まで押し下げる普通の奏法の場合、1mmでも押さえるポイントがずれただけで音程がはっきり違ってきますが、フラジオレットの奏法ではそうはっきりとは差がでません。
前回でチューニングに使える音が出せるようになりました。(こちらをご覧ください)
たしか。。。
2本の弦を一緒に弾いてチューニングができるようになる のが私たちの最終ゴール地点でしたね。でもこの調子だと、そこまではだいぶん遠い道のりになりそうなので、ここらでちょっと寄り道して、
フラジオレットを使ったチューニングにチャレンジしてみましょう。
前回の内容ついてさっそくいくつかご意見をいただきました。ありがとうございます!
いただいたご意見は:
(青い線のように「真横」にならなければならないところが、赤い線のように「斜め」になってしまうんですねぇ)
「う~ん。。。」
今日は、1ポジションの1の指の場所に印をつけましょう。
この位置は、手の小さい女性にとって難しいしんどい位置です。
速いパッセージの中に出てきたり手を広げることに疲れてくると、どんどん音程が上ずってきます。
シールを貼って正しい音程を意識する習慣をつけましょう。
次は第4ポジションの1の指の位置です。
第4ポジションの1の指は左となり(高いほう)の開放弦とまったく同じ音です。
1. 隣の開放弦とダブルで弾いてみて鉛筆で印をつけていきます。
2. 全部探せたら指板の上につけた印が真横に一列に並んでいるのを確かめます。
<では実際にシールを貼っていきましょう>
一番簡単に貼れるのは、隣の弦と同じ音名の音がするところです。1ポジションの4の指の位置と4ポジションの1の指の位置ですね。隣の開放弦とダブルで弾いてみて鉛筆で印をつけていきます。
今回は1ポジションの4の指に印をつけましょう。
指板に目印の線をつける方法(その3)です。
<音程を探す基本>
音の場所を探すときは
同じ高さの音
オクターブ関係の音
完全4度上(完全5度下)
完全5度上(完全4度下)
の位置関係にある「音程の確かな音」を頼りに探します。
指板に目印の線をつける方法(その2)です。(その1「用意するもの」はこちら>>)
<下準備>
1. チェロを調弦します。隣り合った2本の弦が「うならない」ようにきれいに合わせます。フラジオレットを使ってもいいでしょう。2本の開放弦を一緒に弾く方法でチューニングできない人はできる人にやってもらいましょう。
2.指板をきれいに拭いておきます。
指板に目印の線をつける方法です。
用意するものは: 子供たちが使い終わったシールの台紙。はさみ。鉛筆。
それと、2つの音をダブルできれいに弾くワザと 音があっているかどうか聞き分けられる耳 が必要です。
先週お話した 異名同音 のつづきです。「異名同音」の意味はこちら>>
う~ん、なんのこっちゃようワカランわ。わたしはそこまで細かいことはまだええわ。」と思ったかた!
では実際にメロディを弾くときチェロの指板のうえで、「異名同音」と呼ばれる2つの音の押さえる場所はどれぐらい違うのでしょうか。
私自身も実際にはその違いを「目で」確かめたことはなかったので興味津々でした。
試しに、 ハーフポジションの1の指で押さえるところにテープを貼ってみました。
異名同音(いめいどうおん)っていう言葉 きいたことありますか。
「”ドの♯” と ”レの♭” は呼び名は違うけど同じ音ですよ」という意味です。ピアノの鍵盤を思い出してみるとわかるとおもいます。
”♯ド” と ”♭レ” は同じ黒いキーですね。
ところが、弦楽器、管楽器、声楽など自分で音程を作る楽器の場合はそうではありません。メローディを弾くときの ”♯ド” は ”♭レ” より音程が高いのです。
そして、ピアノやチューナーの ”♯ド=♭レ” の音の高さは弦楽器などの ”♯ド” と ”♭レ” の間にあります。(ナンノコッチャ?)