チェロのレッスンも楽しく進んで、どんどん難しいテクニックが必要になってくると、つい忘れがちになるのが、基本。ということで、音階やアルペジオなどをウオーミングアップ代わりに練習しておられる方も多いと思います。
でも音階やアルペジオで左指が速く動けばそれだけで満足していませんか。
四分音符の練習をしているときに、ふと、こんなことを思ったことはありませんか。
「休符が書かれてないのに,こんなに音が切れててもいいのか」と、どこかで疑問に思っていませんか。
だから「音にアタマを付けること」(管楽器で言うところのタンギングをつけること)の練習をやっぱりどこかでなんとなく疑問に思い、クッキリした音を出すことをためらっていませんか。
初心者の皆さんが最初に習う「四分音符の開放弦」の音のイメージについて、2018-08-16から連続5回にわたってお話ししてきました。こちら>>
ところが、生徒さんから「とはいうもの、先生。。管楽器のような、タンギングを付けたような弾き方だと音と音の間に隙間ができてしまいます。楽譜には休符が書かれていないのに、音と音との間に隙間ができていいんですか。」というご質問がありました。
レッスンを受けている時にこんなこと思ったことはありませんか。
「えっ、先生、この間のレッスンのときはあんなこと言ってたのに今日は違うこと言ってる。いったい私、どうしたらいいの」
または、同じ問題点について、いろんな方から違うアドバイスをもらい、戸惑うこともあると思います。時によっては正反対の。
いろいろ違うことを言われると混乱しますよね。
そんな時はこう考えてみてください。
「今日は前回とは違うお薬をもらったわ」と。
公開レッスンを聴講しながら学べる事はまだまだあります。
今回は、「自分が先生で、この奏者からアドバイスを求められている」と思いながら、公開レッスンを聴講してみましょう。
前回のテーマの「音楽での模写・臨書」を応用してみましょう。
私もレッスンで皆さんにアドバイスするときにこの方法を使っています。
今回も、公開レッスンを聴講する時のコツをもう一つご紹介します。
自分が持っていないものを見て、聴いて、体で感じて、それを自分の中に取り入れていくことで、自分の引き出しを増やしていく。これも公開レッスンでの学びです。これは絵画でいう「模写」、書道でいう「臨書」です。お手本を真似することで心や技術を学びます。
では「絵画の模写」、「書道の臨書」を音楽のレッスンでの聴講にどう応用したらいいのでしょうか。
チェロ以外のほかの楽器のレッスンもぜひ聴いてみたいですね。特にヴァイオリンやヴィオラ、コントラバスなど弓を持って演奏する弦楽器なら、右手の使い方や左手の使い方、体の使い方など、基本は同じです。「これをチェロならどうするかな」と自分の頭の中でチェロ語に翻訳しながら聴いてみましょう。
でも、「違う楽器のレッスンに行ってもどこをどう聴けばいいのかさっぱりわかりません」という方もいらっしゃると思います。そんな方のために、「チェロ以外の弦楽器の公開レッスンを聴くコツ」みたいなものをいくつかご紹介します。
1. 楽器演奏の初心者の方は、まずはとにかくたくさん良いものを見て聴いてみましょう。
「たった一つの音」これをきれいに弾きたい
先日ピアノを弾く友人が私に言いました。
「チェロって1つ1つの音を作り込むんですね。ピアノも音色を変えためにタッチを工夫しますが、チェロを弾いているのを見ていると「たった一つの音」を作り出すためのエネルギーが違いますね。」
チェロが少し弾けるようになってくると、誰かと一緒に遊んでみたくなりませんか。その方法は:
・ピアノに伴奏してもらう
・弦楽四重奏に参加する
・弦楽合奏団やオーケストラに参加する などなど。。
でも、他の楽器が弾ける人が自分の周りにいなかったらちょっと難しいですよね。
そんな時は、同じチェロの門下生どうし(チェロ教室の生徒どうし)でチェロのアンサンブルはいかがでしょう。
今回は、すてきなチェロライフを送っておられる、私の生徒さんのOさんへのインタビューです。
彼女は60才過ぎてからやっとあこがれのチェロを手にしました。 でもまだ仕事が忙しくて家での自主練習はまったくできません。「チェロを弾くのは先生のお宅での1時間だけ」です。毎回とても楽しそうにレッスンに通ってこられます。途中で数ヶ月のブランクがありましたが彼女のチェロ愛は途切れることなく、コツコツと練習を積み重ねること1年。D線の各音がきれいなボウイングできれいな音で弾けるようになってきました。
「わぁ、明日チェロのレッスンの予約日だった~。
今週は仕事で忙しかったから、一度もケースを開けてないわ。
このままレッスンに行ったら先生に失礼よね。キャンセルや日にち変更ばっかり続くのも先生に失礼よね。
どうしよう。。。仕事しながらチェロ習うのってこれ以上もう無理かなあ」
と思うことありますよね。
でも、そんな心配をしないで、ただ楽器だけ持って、レッスンに行っていいんです。「今日はレッスンに行ってよかったなぁ」と思える何かが得られたらそれが一番です。。。というのが今回のお話です。
先日、「紀南交響楽団・第一回定期演奏会」に行ってきました。ここのチェロパートに「私、チェロで人生が変わりました」とおっしゃる、私の生徒のYさんがいます。
今日は、そのYさんをご紹介したいと思います。
和歌山の紀南地方にはいままでアマチュアオーケストラがありませんでした。紀南地方にも以前から楽器経験者はいたのですが、お互いに横のつながりがなく、「また、アンサンブルをしたいなぁ」とそれぞれがひとり心の中で思っていただけでした。チェロのYさんもその一人でした。
日本では、先生から何かを習うとき、生徒は黙って先生のおっしゃることを聞きます。「ごもっとも」とすぐそれを受け入れるときも、「でも、ちょっとなぁ」と戸惑うときも。
先生からのアドバイスに対して、すぐ生徒から何か言う(反論する)ことは「失礼」だと思うかたもあるかと思います。
でも、レッスン時に、生徒から何か言ってもいいんです。
「ごもっとも」でも「でも、ちょっとなぁ」でも、生徒としての意見を言っていいんです。
先日のレッスンで、まだチェロを始めて間のないある生徒さんが「曲を弾きたいです。ボーイングばっかりの練習がおもしろくないです」とおっしゃいました。
その後で「わがまま言ってすみません」ともおっしゃったのですが、謝る必要なんてぜんぜんありません。
レッスンは「その時間を使って、その生徒さんのチェロを弾く技術や音楽に対する喜びをどうしたらもっと伸ばせるか、その方法を生徒と先生とが知恵を出し合って一緒に考える」作業です。
「この曲を○○先生にレッスンしてもらった」という日本語をドイツ語で言うと
「この曲を○○先生と一緒に(○○先生の下で)作業した」と言います。
日本語だと受身な表現ですが、ドイツ語だとかなり能動的ですね。
生徒である自分と先生とが対等の立場で「レッスン」という時間を作り上げていくイメージです。
もちろん、アドバイスしてもらったことを一度は持ち帰って、それから改めて意見を言うのも大切ですが、生徒の立場から意見を出し、それに対して先生の立場からまた意見を出し、それをレッスンの時間内に積み重ねていくことでより良い方向が見つかることがあります。
ですから、生徒さんご自身もレッスン中に思いついたことを、その場で先生に伝えていってください。
具体的に「ここが難しい」「ここはどうしたら良いのか分からない」でもいいし、
何かもやもやしていることがあれば「何かもやもやしてる」と言ってください。
先生のアドバイスに対して「でも、ちょっとなぁ」と思うときは、
「おっしゃることは理解できますが、それより、こうした方が良いと思いますが、どうでしょうか」と言ってください。
「そんなのできません」でも、私のクラスならOKです。私なら「次の一手」を考えます。
そもそも先生という人も元は初心者だったわけで、たいていのことは経験済みですから、話は通じますよ。
チェロを習うようになってから、あなたの周りに何かハッピーなことが起こっていませんか?
今までだと全く接点のない人と新しく知り合いになったり、今までだと絶対に行かない所に出向いたり。今までの自分とは全く縁のなかった新しい世界が目の前に広がっていませんか。
我が家に先日、新婚旅行中の若いドイツ人のカップルが泊まっていってくれました。私がドイツ留学中にとてもお世話になった友達のお嬢さんとその彼です。
もし、私がチェロを弾いていなかったら、ドイツの、それも日本人がほとんどいない小さな町に何年も生活することも無かっただろうし、彼らとも出会うこともなかったでしょう。ドイツ語どころか英語を使うこともなく、日本という国を外から見る経験をすることも無く、それはそれなりに一生を終わっていたと思います。
あなたはチェロを始めてから、何か身の回りのことが変わっていませんか。
私の教室の生徒さんの中にも「チェロを始めて人生が変わりました」とおっしゃるかたが何人もいらっしゃいます。
チェロはアンサンブルで重宝される楽器なので、弾いているだけでいろんな人と出会うことができます。そしてそこから明日、あなたの人生ががらっと変わってしまうかもしれません。
そう思うと、チェロという楽器を始めた皆さん、
これからどんなハッピーなことが自分を待っていてくれるか、ワクワクしてきましたねぇ!
私の教室では 一からチェロを始めようと思って来られた皆さんに こう言っています。「初めの三ヶ月間はちゃんとした音がでません。三ヶ月間だけは ガマン してください」
今回はこのことをお話したいと思います。
チェロは残念ながら、ピアノみたいに「鍵盤を押せば誰でもすぐ音が出せる」という楽器ではありません。町で売られている教則本を見ると、「弓の持ち方」「楽器の構え方」のページに続いてすぐ「さぁ、ではD線の開放弦を弾いてみましょう!」と書いてありますね。
今はできないことも
ある時は「しつこく」繰り返し向き合い
またある時は「ちょっと横に置いといて」
でも、いつも心のどこかで気にし続けていたら
いつかその時が来たら 扉が開いて
次が見えてきます
というお話です。
みなさん、レッスンの後、次に楽譜を開くのはいつでしょうか。
レッスンが終わって、ほっとして、帰宅して、それから・・・・? レッスン以来初めて楽譜を見るのは、次に楽器を開けるとき?
さて、レッスンに行って、新しいテクニックを習ってきた時によくある「お困りごと」が、・・・さてさて久しぶりに練習しようと思って楽器を持ったものの・・・
あなたのチェロのレッスンは、先生と1対1の個人レッスンでしょうか。
それとも、先生一人に生徒が同時に複数で弾くグループレッスンでしょうか。
それぞれに 良いところも ちょっと不満が残るところも あるようですね。
今回は 今、私の教室で生徒さんたちに喜んでいただいているレッスン形態をご紹介します。それは、
毎回公開レッスン です。
「いま弾いた音が前に飛んでいくのが見えますか」って、そんなの見えませんよね、本当は。でも、それをイメージしてみてください。
あなたのチェロの音がBGMになる 座禅・瞑想・イメージトレーニング です。目の前の楽譜を弾くことだけに気をとられて、ガチガチに固まってしまった心と体が開放されて、あなたのチェロの音が 必ず変わります。
チェロ友のみなさん。
新しい年が始まりました。
今年も「チェロと一緒の素敵な一年」になりますように。
さて、今回は新年第一回めということで、みなさんにもっとチェロを楽しんでいただくための工夫について考えてみました。