前回は「飛行機」と「リニアモーターカー」の絵を使って「初心者の音の出し方には大きく2種類あります」とご紹介しました。こちら>>
では今回は「飛行機型」の方をもう少し詳しく見ていきましょう。
冒頭の絵は、飛行機が滑走路に向かって高度を下げていき、滑走路をしばらく走った後にまた離陸していくようすです。飛行機が「弓」、滑走路が「弦」です。
しかし、こちらは残念ながら、初心者の方が初めて習う「ゆっくりで連続した四分音符」としては適さない、「タンギングのない・音の立ち上がりがぼやけた」音です。
その特徴は:
1. 飛行機のタイヤが地面に着いて初めて、飛行機の重みが地面に伝わります。
⇒ 弓と弦が接触するその瞬間まで弓が弦に圧力をかけていません。=音が出るとき以前には弓が弦を深くつかんでいません。(たとえ音のはじめと終わりに弓が弦から離れてしまうことがない場合でも、弓が弦の上に軽く乗っているだけで圧力がかかっていません)
2. 飛行機が滑走路を走っている間はずっと飛行機の重さが地面に伝わります。地面への加圧が終わるのは飛行機が浮いた時です。
⇒ 弦が振動を始めた直後、さらに強く弓で弦に圧力をかけこすり続け、弓を浮かすことで加圧が止まります
ではここで、もう一度飛行機の絵を見ながら弓の動きを見てみましょう。尚、この絵の飛行機の動きは、「奏者から見たダウン弓」が弦を震動させている様子です。
(説明文の番号は絵の中の番号に対応しています)
① 音を出す前に弓が弦から離れています。または、弓が弦の上に軽~く乗って止まっています(圧力はほとんどかかっていない)
② 弓が弦に対して斜め方向から近づいてきて、
③ 弓が弦にそおっと接触します。
④ 弓が弦に着いた後、弓が弦に圧力をかけていきます。弓が圧力をかけながら弦をこすることで弦が振動を始めます。
⑤ 決められた時間弓が弦をこすった後、
⑥ 弓は弦から斜め上方向に離れていきます。または、弓が弦の上に軽~く乗って止まります。
アップ弓ではこれの全く裏返しの動きをします。
どうでしょう。
初心者の方で、初めて四分音符を練習するときにこのように弓を動かしていた方、いらっしゃいませんでしたか。
この飛行機型ボーイングは実は、「弓を飛ばす」というもうちょっと後で習うテクニックです。いまはまだ封印しておいてくださいね。
次回はいよいよ「リニアモーター型ボーイング」を取り上げます。
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