「左手の練習をすると肩が凝る」場合、音程を作るために、
指のチカラで弦を指板に押しつけようとしたり、
肘を強く折り曲げることで指を弦に押しつけようとしたりしていることが多いです。
もともと握力があまりないと、なおいっそう指や肘に頼ってしまいがちです。
そうすると、肩に力が入って、肩が凝ります。
では、どうしたら肩が凝らないように、弦をおさえられるのでしょうか。
それは:斜め懸垂をするときと同じ要領で弦を押さえることです。この方法なら、弦をしっかり押さえることができ、握力や腕力の強さに関係なく、誰でもきれいにチェロを響かせることができます。
斜め懸垂の要領の説明をする前に今回は、ご自分がいったいどの筋肉を使って弦を押さえているかを一度確かめてみましょう。
それは、弦を押そうとチカラを入れたときに自分の肩先がどっちに動くかで判断できます。
肩先の動きが見た目ではよくわからなかったら、もっと強く(演奏するときに使っているチカラよりもっと強いチカラで)弦を押さえてみて、自分の肩の関節のどのあたりにどんなチカラが入っていくか観察してみてください。
1.
指板を握るように指関節にチカラを込めて弦を押さえると →
・肩関節の前面(体を正面から見たときに見える側)にチカラが入って肩先が前に動く。
・首の左側にチカラが入り、胸が閉じる。
・指が強く曲がり、手首が落ち込んだり、肘が下がる。
・親指にもチカラが入ってしまい、他の指で弦を押さえた状態で親指がネックから離せない。
2.
肘を折り曲げるチカラで弦を押さえると →
・指の関節はそれほどこわばっていない。他の指で弦を押さえながらも親指がネックから離せ、ヴィブラートもかけられる。
・が、1.と同じように、肩関節の前面にチカラが入って肩先が前に動く。
・首の左側にチカラが入り、胸が閉じる。肘が下がる。
・肘が痛くなる。左手を使った後で肘を伸ばせなくなる。
3.
1.(指のチカラで弦を押さえる)と 2.(肘を折り曲げるチカラで弦を押さえる)の両方を使って弦を押さえているときもあります。
4.
斜め懸垂の要領で弦を押さえることができていると →
・弦を押さえると肩が後ろに動く。肩甲骨が寄る。
・胸が開き、前に出る。
・指板上の4本の指と肘は、その角度をキープしようとしているだけ。特に何もしない。押さえたり折り曲げたりしようとしない。
・ネックの裏の左親指は意識してつけようとしないと、ほとんどネックから離れている。または、触れているだけ。
さて、あなたはどのタイプでしたでしょうか。
次回はこの 4. 「斜め懸垂の要領で弦を押さえる」についてもう少しお話しようと思います。
文章だけで動作を解説するのはとても難しいです。
上手にお伝えできていなかったらごめんなさい。
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