今回はファーストポジションで左指を開くのに苦労している方へのアドバイスです。
手が小さい人にとってはファーストポジションって本当に辛いポジションですよね。私もその一人ですのでよ~くわかります。
1の指を正しくとると4の指が低すぎになり、
4の指を正しくとると1の指が高すぎになり。。。
普段はなんとかなっていても、疲れてきたり、速く弾かなければならなかったりすると、さらに音程が悪くなってしまいます。
おまけに、チェロを始めて習うポジションがいきなりこの一番辛いポジションです。(4thポジションから習う方法もあるようですが。。)私も指導者として、どうすれば手の小さい生徒さんが楽にファーストポジションをマスターできるか日々悩むところです。
市販されている教則本の多くの場合、左親指の位置は「中指の裏」もしくは「人差し指と中指の間、の裏」に置くように書かれています。
しかし実際にこれらの位置に親指を置くと、手が小さい人や手が開きにくい人ではファーストポジションで指が充分に開きません。そこで、「う~ん、届かないィ」と思ったら
左手の親指の位置を今の位置から「薬指の裏」へ変えてみてください。手が開きやすくなります。
このとき、弱い薬指は指板に垂直に立てて、弱さをカバーします。
中指は(少しぐらいは倒れてもいいので)薬指から離します。
ただ、この「中指は少しぐらいは倒れてもいいので」が気になる方もあるかと思います。
もちろん理想を言えば、どの指も指板に垂直に立つことができれば一番効率よく弦を押さえることができます。
でも、大人になってからチェロを始めた皆さん、特に小さな手の女性の場合、正しい音程で楽に弾けることがまず一番だと思います。
中指は、倒れて不利な体勢で弦を押すことになりますが、中指はもともと強いのでたいていの場合これでも充分弦を押さえることができます。
とは言え、右手がようやく弓を持てるようになってきて、次はやっと左手だと思ったとたん、手がつりそうになるし、指先は痛いし、私やっぱりチェロは無理かもと思い始めているあなた。
いつまでもファーストポジションでのこんな辛い体勢が続くことはありませんのでご安心を。
左手の形を作っている初めの数ヶ月間の辛抱です。
二本の弦を一度に押さえる練習をするようになったり、ヴィブラートをかけるようになると、親指はネックから離すこともあります。
また、いつもいつも手を広げたまま保つのではなく、押さえていない指を脱力して閉じるようにもなりますから。
ところで、薬指の裏に親指を置くと指が開きやすくなる他にもう一つ良いことがあります。
それは、ファーストポジションを押さえている左手の重心を、「強い」人差し指や中指から「弱い」薬指や指のほうに移せるということです。これも手の小さい人には救いの手ですよ。
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