今回は「指板寄り」「 駒寄り」の違いを意識して弾き分けてみましょう。
前々回は、思いっきり駒の近くを弾いてみることに挑戦しました。こちら>>
弓を常にまっすぐに動かすことができるようになったら、次のミッションは:
各弦それぞれ、
音の大きさや欲しい音質によって、
弓で擦る場所を意識的に変えましょう です。
ではここでもういちど「駒の近く」と「指板の近く」での
①弓の動かし方の違いと
②どんな音が欲しいときにここを使うかを
もういちど確認してみましょう。
「駒の近く」
① 弓の動かし方:
弦の深いところをしっかり掴んで圧力をかけ続けながらゆっくりねっとり動かす。
・弓が動いている間中、「弦をしっかり掴み続ける」、「圧力をかけ続けながら」というのがミソです。音を出す前に深いところを掴むことができてもその後、弦が弓を跳ね返そうとするチカラに負けて弦に圧力をかけ続けることができなくなると、弓のスピードが速くなってしまい音がかすれます。(浅いところを速い弓で弾くと=指板近くを弾く要領で)弦が充分に振動できず音が出ません)
② こんな音が欲しいときに:
「芯の太い、響く大きな音」
「爆発的なエネルギーを持つ、芯の太い響く大きな音」→始めにしっかり掴んでその後も圧力をかけ続け、かつ弦が充分に振動する範囲内で弓をできるだけ速く動かす。自分の耳で響きをよくきいてください。
「指板の近く」
①弓の動かし方:
弦の浅いところを速めの弓で弾く(圧力をたくさんかけながら弓をゆっくり動かすと(=駒の近くでフォルテを弾く要領)音がつぶれて腰のない弱い音しかでません。)
・「軽く弦の浅いところを弾く」ときに気をつけることは、決して肩や肘や指で弓を上に浮かさないことです。肩や背中や肘や指はあくまでもその重みで下がっているようにいるように。手首だけを軽く浮かせた「お化けの手」で弾きます。「お化けの手」で軽~く弦に触れている感じです。
②こんな音が欲しいときに:
「芯より響きのほうが多い音」
「透明な感じの軽い音」
「その音でフェードアウト(フレーズをだんだん消えていくように終わる)したいとき」→ 弓に圧力はかけず、流すように、なでるように、最後に向かってだんだんゆっくり動かす
最後に:
チェロを始めたばかりのかたはまだファーストポジションを練習中だと思いますので、「指板の近く」と「駒の近く」って弾き分けるもんなんだと思っていただけるだけで充分です。そして「もっとカッコイイ音がでないかなぁ」と思ったときにこのことを思い出してみてください。そして「もう少し駒寄り」で弾いてみるといいのかな とか「もう少し指板寄り」で弾いてみるといいのかな など考えてみてくださいね。
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